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2022年度 槍・穂個人山行

行動概要

メンバー;川嵜 長嶺

 

9月27日(火) Pre1 曇後雨

予定通り新宿駅に集合し、電車で穂高駅まで向かう。バスに乗り換え、中房温泉まで向かいテントを張る。

CT)新宿駅(10:45)〜中房温泉(15:45)

 

9月28日(水) 実1 曇時々雨

準備をして出発する。夜の間降っていた雨は止んだが、肌寒く感じる。燕山荘まで急登を登る。燕山荘にご挨拶に行く。休憩し、雨がばらついてきたため雨具の上を着て出発する。数組の登山者がいる。稜線上は、風があり、寒い。ペース良く進み、切通岩から大天井岳をトラバースする。大天井ヒュッテから喜作新道を20分程進むと、貧乏沢のコルに到着する。ここからヘルメットを付けてガレた沢を下っていく。踏み跡があり、ルートはわかりやすい。貧乏沢は、雨の影響で湿っているため、注意して降りる。しばらく下ると支沢が合流し、水量が増えてくるため、左岸の樹林帯を進む。樹林には明瞭な踏み後があり、所々残置ロープやケルンも見られる。次第に傾斜が緩やかになり、天井沢に出る。上部に行く前に水を汲み、休憩する。北鎌沢の取り付きは、ケルンがありわかりやすいが、上部を見ながら慎重に登る。北鎌沢は雨の影響で、多くはないが水が流れている。時折大きな岩を越える。北鎌沢右俣に入り、北鎌のコル手前まで登る。沢上部は、草付きの急斜面となり、斜面を蹴り込みながら登っていく。北鎌のコルが分かりにくく、50m 程手前のコルに到着したため、少し戻り、尾根上を降り、北鎌のコルに到着する。テントを張り行動を終了する。

CT)中房温泉(4:04)〜蒸山荘(7:25-41)〜大天井ヒュッテ(10:01-10:10)〜貧乏沢のコル(10:36)〜貧乏沢出合(13:26)〜北鎌のコル(17:44)

 

9月29日(木) 実2 晴後曇

クラックグロープ、ヘルメットを着けて出発する。北鎌のコルから、P8、P9と進んでいく。各所に1〜2人用のテントが張れる程の幕営適地がある。所々、登りにくい箇所があるが、周りの枝を掴みながら慎重に登っていく。後ろに2名の登山者が見える。独標までは基部から直上ルートを3pスタカットする。1p目は、ハイマツで支点が取れる。基部の大きな岩から左側にハイマツに沿って進むと、ロープが垂れている箇所があり、ここを直登する。岩は、やや湿っている。2p目は、リッジで、両側が切れているため、非常に高度感があり怖い。ピナクルで支点を作る。ピンは所々に打ってあるが脆い。3p目は、傾斜も緩くなり、独標まで登る。独標からは、槍ヶ岳が綺麗に見える。ロープを外して先へ進む。後ろにいた登山者は、トラバースルートから進み、先を越されたようだ。移線沿いにルートファインディングをするが、踏み跡もあり、分かりやすい。P13付近で先行パーティに追いつき、懸垂下降を待つ。P13から懸垂下降となるが、支点が外れており、残置ロープも切れかけていたため、ハーケンを打ち直し、捨て縄を付ける。15mの懸垂下降を行う。P14までの登りは、脆い岩の登りとなる。手前のピナクルで支点を取り、凹角を1pスタカットをする。その後も殺上を歩いていく。次第に雲が出始め、涼しくなる。P15手前で、踏み跡が移上ルートとトラパースルートに分かれているが、上ルートを辿る。P15から15m程の懸垂下降となる。懸垂下降の支点は、分かりやすくなっているが、強度を確認してから、懸垂下降を行う。その後すぐに北鎌平に到着する。穂先が間近に見え、緊張感も高まる。穂先手前で3pのスタカットを行う。穂先までのルートは、たくさんあり、ハーケンもたくさん打ってある。簡単なチムニーから、頂上を目指す。祠が見え、大きなピナクルで支点を取り、登頂する。雲が広がり景色は望めないが、達成感が溢れる。槍ヶ岳山荘まで降り、本日の行動を終了する。

CT)北鎌のコル(6:30)〜独標(11:37)〜P13(P.2873)(12:38)~槍ヶ岳(17:10)〜槍ヶ岳山荘(17:27)

 

9月30日(金) 予備1 晴

前日の行動後、西稜の取り付きが偵察できなかったこと、朝は岩に氷が張る程冷え込むことから、日が出て気温も上がってきた時間に出発することとし、西稜登撃後は縦走せずに槍ヶ岳山荘でもう一日泊まることにする。ヘルメットを着け、雨具の上、フリースを着て出発する。ヘリポートから飛騨沢側を巻きながら小槍が見えるところまでトラバースする。西稜南面への明瞭な踏み跡へ迷い込まないように沢を下っていく。上部からの落石に注意し、浮石に注意しながら、ガレた道を進む。しばらく下った後、西楼西面取り付きのテラスへ向かって脆い岩の斜面をトラバースしていく。トラバースが終わりテラスに出るとすぐに取り付きに到着する。準備をし、登撃を開始する。1p目は、川寄がトップで登る。テラスから、スラプを登っていく。岩は冷たいが、登撃には問題ない。時折上部から氷柱が降るため、注意して登る。終了点は分かりやすい。2p目は、長嶺がトップで登る。核心の「くの字ジェードル」の手前まで登る。浮いている岩がたくさんあるため、確認しながら慎重に登る。核心の3p目は、川寄がトップで登る。手が入るほどのワイドクラックで、岩も安定しているため、登りやすい。また、ルート上に残置ハーケンも多い。4p目は、長嶺がトップで登る。ハングを右にトラバースするように登り始める。高度感のあるスタートだが、すぐに階段状のリッジになり、小槍頂上に着く。小槍頂上は、日が当たり暖かい。次に登る曾係槍のルートを確認してから懸垂下降を行う。小槍南面右ルートを30m程の懸垂下降でコルまで降りる。曾孫槍は、非常に岩が脆いため、落石に注意する。長嶺がトップで登摯を行う。1pで、トップアウトできる。終了点は、大きなピナクルで取る。孫槍の取り付きまでは、広く安定しているが、確保しながら川がトップを歩く。孫槍も岩が脆い。孫槍の1p目は、チムニーから、フェースに出る。小さいサイズのカムやナッツがよく効く。50mいっぱいまで登っていく。2p目も引き続きフェースを登り、懸垂支点のある終了点に着く。槍ヶ岳頂上から手を振られているのがわかる。次に登る大槍のルートを確認してから15m程の懸垂下降を行う。大槍も浮石が多く、落石に注意しながら登ってい<。40m程登ったところにある大きなピナクルで支点を作り、2p目の登攀を行う。2p目も落石に注意する。トップアウトし、写真を撮る。山頂は多くの人で賑わっている。槍ヶ岳山荘まで慎重に降り、行動を終了する。

CT)槍ヶ岳山荘(6:34)〜西楼取り付き(7:43-8:10)〜槍ヶ岳(13:50-14:03)〜槍ヶ岳山荘(14:28)

 

10月1日(土) 実3 晴

準備をし出発する。日の出前で外は肌寒いため、雨具の上とフリースを着る。槍ヶ岳山荘から飛騨来越まで降り、大喰岳まで100m程登り返す。朝日がとても綺麗に見える。途中、適宜レイヤー調整をしながら歩く。中岳手前は、梯子があるため注意して登る。南岳までは、綺麗な稜線上を歩く。たくさんの登山者がいる。南岳小屋を過ぎた景色が綺麗なところで休憩する。大キレット、穂高連峰が綺麗に見える。ここから先はヘルメットを装着して進む。降りは落石に注意しながら下る。梯子や鎖など、危険箇所が増えてくるため慎重に歩く。長谷川ピークまで登ると北穂高岳が大きく見えてくる。長谷川ビークを越えたコルでハーネスを付ける。北穂高岳までは、上部からの落石と下部への落石に注意しながら歩く。パスでバックアップを取って進む。次第に北穂高岳山荘が見えてくる。集中力を切らさずに登り、北穂高岳に登頂する。今まで歩いてきた道のりが綺魔に見える。レーションを食べ、涸沢岳に向けて出発する。滝谷ドーム北壁を登るパーティーが見える。足元の安定しないトラパースが続くため慎重に歩く。奥穂バンドは、高度感もあり、危険なトラバースになり、緊張する。トラパースを抜け、個沢岳に向けて登り返す。バックアップをとり、慎重に登り涸沢岳に登頂する。穂高岳までの道のりと穂高岳山荘が見える。穂高岳山荘で休憩し、個沢ヒュッテまでザイテングラードを下る。登山者が多く、落石に注意しながら歩き、個沢ヒュッテに到着する。テントを張り行動を終了する。

CT)槍ケ岳山荘(5:01)〜大喰岳(5:34)〜中岳(6:19)〜南岳(7:20)〜北穂高岳(10:34-54)〜個沢ヒュッテ(14:21)

 

10月2日(日) 実4 晴

準備をしてヘルメットを着け、出発する。気温が低いため雨具の上を着る。次第に日が昇り、穂高連峰がモンゲンロートで赤く染まりとても綺魔である。ザイテングラードを登り、穂高岳山荘に向かう。穂高岳山荘はたくさんの登山者で賑わっている。奥穂高岳までは、鎖や梯子があるため、降りてくる登山者と譲り合って登っていく。奥穂高岳で写真を撮り、ハーネスを履いてジャンダルムに向かう。馬の背は、高度感があり、足を置く場所も小さいため、慎重にゆっくり降る。ロバの耳の鎖がついている箇所は、バックアップを取り、進んでいく。ジャンダルムに登頂した人がよく見える。落石に注意しながら歩いていく。ジャンダルムの取り付きで、足を負傷した年配の女性が倒れており、山岳警備隊が救助をしている。数分して県警ヘリが接近してくる。西穂側までジャンダルムを巻いて、コルにザックをデポして登る。写真を撮り、降る。西穂側からも多くの登山者が登ってくる。天狗の頭、間ノ岳を越えるが、高度感と緊張感で疲弊する。登り返して西穂高岳に登頂する。奥穂高岳をはじめとする山々がよく見える。上高地に向け、降る。チャンピオンピーク、ピラミッドピーク、西穂独標を越える。登山者が多く、落石に注意しながら歩く。西穂独標からは、歩きやすい登山道になる。そのまま西穂山荘まで降り、休憩する。ヘルメット、ハーネスを外し、帽子をかぶり上高地に向けて下山する。良いペースで降り続け、上高地に到着する。

CT)涸沢ヒュッテ(5:11)〜奧穂高岳(758-8:07)〜ジャンダルム(9:32)~間ノ岳(12:09)~西穂高岳(12:46)~上高地(15:34)

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