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【頸城戸隠 九頭龍山東稜】1/29-1/30 OB:宮津 他1名

…また来てしまった。今回は完登したいものだ。

厳冬の戸隠にハマり、今年は連続3度目のトライとなる。はじめてはP1尾根、翌年には本院岳ダイレクト尾根、そして今年は九頭龍山東稜。それぞれ訳は違うが、ともに過去2回とも完登できていない。今年こそはという感情とともに、戸隠特有の急峻な山稜に溜まる雪きのこを想うと、恐怖感も湧いてくる。とくに九頭龍山東稜は文献など無く(探した限りでは)、その場でルートや山の状況を確認しながら登ることになる。未知なルート相手に、果たして自分達は太刀打ちできるのだろうか?

1/29

深夜キャンプ場付近に車を止め、仮眠する。眠気と寒気にうんざりしながらも起床。明るくなるのと同時に出発する。眠い。地図片手に東稜を探す。眠い…。

1時間ほど平坦な林を歩くと明確な尾根がでてくる。これが東稜だ。眠い…。

傾斜がつくにつれラッセルも深くなる。が、おもったより少ない。腿くらいまで潜る、時々腰くらい。気付くと眠さは消えた。

そのうちさらに尾根は急峻になる。尾根の右側ルンゼ状の箇所を登る箇所からロープを出す。藪を支点としてセルフをとる。スコップを振り回し頭上の雪を掻き落としていく。次の藪を掘り出すと、それにセルフを移し変え、またキノコ雪を削る…。 1Pに1~2時間はかかる。3~4P進むと日が暮れた為、テントがギリギリ張れそうな箇所(とは言ってもキノコ雪の上…)を整地し、本日の行動終了。

 

1/30

夜明けとともに行動開始。アサイチから自分達より大きなキノコ雪のピッチ。スコップで削りだそうとするが…。あれ?雪が氷となっており、スコップでは歯が立たない。1月に戸隠入山者が全くいないのはこういう訳か。

アックスでキノコ雪の下部を削ると、上部は比較的柔らかくなっているようでスコップで大胆に削っていく。リードで登る人間は全身を使い汗だく。フォローは2時間ほど待つことになるので激寒である。

途中、リードの足元のキノコが一気に崩れ、ビレイ中のフォローに落ちるというハプニングもありながらも進んでいく。

3P進むと、少し開けた部分に着く。その先にはまだまだ続く急峻なリッジとキノコ雪たち…。時間との兼ね合いで、撤退とした。懸垂を交えて下降し、日が暮れる直前に下山した。

 

これで戸隠は三連敗となる。九頭龍山東稜は本院岳ダイレクト尾根よりも短いが、急峻でより難易度としては難しいと感じた。

 

伝説と信仰の山 戸隠。 来年は完登したいものだ。

 

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